マチコレ!メディカル・コラム@山梨
第3回 花粉症 くすりによる治療はどうでしょう?
花粉症は、花粉に対する免疫の過剰反応つまりアレルギーの状態であり、からだが不健康になって起きる病気ではありません。免疫がしっかりしているからこそアレルギー反応は起きます。
また免疫が昂まるといっても全身の内臓障害がくる膠原病と違い、薬を使う目的は鼻水や目のかゆみ、咳などの症状をおさえることにあります。
以前は一度の注射でその季節は全く症状無く過ごせる、という謳い文句で強い免疫抑制剤であるステロイドの注射をしてくれる病院もありましたが、長期的な副作用の多いステロイドが症状を抑えるためだけに使われるのは重症のかたでも奨められません。目薬も緑内障などの危険性がありステロイド入りのものは眼科医師の指導の下での使用が必要です。
そこで、飲み薬です。当然ステロイドの内服はきわめて有効ですが副作用を考えれば危険です。アレルギーの薬のなかにはステロイドとの合剤(セレスタミン®)もあるので注意ください。一般の薬局で処方箋なしに購入できるアレルギーの薬は処方薬の一つ前の世代に属し、効果はある程度認めますが、副作用で眠気をかなり伴います。
また医師の処方するアレルギーの薬も約15種類ありますが、眠気という副作用はほとんどの処方薬で注意が必要とされており、自動車の運転をしてもよいとされている薬は2種しかありません。
その中でもアレグラ®という薬剤は、肝臓や腎臓がわるいひとでも老人でも子供でも安心して使えます(当院でも過去350名の採血結果ではこの薬剤による肝障害などの副作用は起きていません)。一日2回飲まなくてはなりませんが、調子がよいときは朝だけで効きますので経済的ですし、症状の強いときは倍の量まで飲むことができますのでその日の状況で調節も可能です。
医療機関にいくのは面倒でもありますが、とくに他に内服薬を使われている方は先生とご相談の上処方してもらうと安心ですし、より安全に治療ができるでしょう。
2012年3月28日発行「マチコレ!4月号」掲載